禁忌は解禁された~銀二~
銀二の純愛
深澤(ふかざわ) 銀二(ぎんじ)━━━━━━━

神龍組・若頭にして、銀龍会・組長。

颯天の右腕として、かなりの信頼がある。
颯天が二十歳で神龍組の組長になり得たのは、銀二がいたからだ。

実質の組長は、銀二だったと言っても過言ではない程の実力、信頼、経験、賢さがある。

組長・神龍寺 颯天を造り上げたのは、銀二だ。

こんなに完璧な銀二だが、とても頭の固いのが難点だ。
融通の利かない頑固な性格をした、銀二。

律儀で、自分の信じる道から外れるモノを嫌う。

更に、颯天と一颯の言うことには基本的に逆らわない。


そして一颯を心から愛し、慕い、一途に捧げている。

銀二の弱点は一颯で、一颯を悲しませたり、苦しませたりすることが最大の苦痛だ。

一颯に嫌われたら、きっと…銀二はその場で命を絶つ。

そのくらい銀二の中で、一颯の存在は大きく、まさに命その物だ。



そんな、ある日だった。

銀二「━━━━━見合い、ですか?」

颯天「うん」

銀二「有難いお話ですが、私は一生…所帯を持つつもりはありません。
申し訳ありません、組長」

颯天「俺も、そう伝えた!
でも、うっせぇんだよ!(すぎ)(たけ)じぃが!!」

杉・武は、元々は颯太の直属の部下だった双子の男。
今では、相談役として颯天達を支えている。

銀二「でしたら、私から杉・武さんに伝えておきます」
颯天「ん。くれぐれも!頼むわ!」




杉「━━━━そんなのが、通用するかバカ!!」
武「銀二。
お前は、颯天の裏方ばかりだったろ?
お前は本来、トップにたてる人間だ。
颯太も言っていた。
銀二になら、神龍を渡しても良いと━━━━━━」

後日早速、杉・武に気持ちを伝えに屋敷に向かうが、取り合ってくれない。

杉「颯天はもう、お前がいなくても立派に神龍を背負える。
だから今度は、お前が自分の“組織”を持て!」

銀二「申し訳ありませんが、私は一生颯天組長の傍で神龍を支えたいと思ってます」


武「……………違うだろ?」


銀二「え?」

杉「颯天じゃねぇ!一颯の傍にいたいんだろ?」

銀二「それは……」

武「どんなにお前が、一颯の傍で守ろうとも……
一颯はお前のモノにはならない。
お前だって、わかってるはずだ」

銀二「わかってます」

杉「━━━━━━━━残酷な姫だな、昔から……
律子も、一颯も……」

銀二「は?」

武「旦那しか愛せないクセに、俺達を翻弄して決して放さない」

杉「銀二は特に、翻弄されている」

杉・武「律子にも、一颯にも………!」


銀二「━━━━━やめてくれ……!!!!」
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