頼れる年下御曹司からの溺愛~シングルマザーの私は独占欲の強い一途な彼に息子ごと愛されてます~
「亜子さん――」
「――ッ」

 抱き締められていた腕が離れていくのと同時に名前を呼ばれると、そのまま唇を塞がれる。

「……っん、……はぁっ、ん」

 突然のキスに驚く暇も無く、どんどん激しさを増していく口付けに息は上がり、息継ぎをするのもままならない。

「んっ、ふぁ……ッんん!?」

 一瞬、唇が離れたかと思えば、今度は竜之介くんの手が首筋を通って耳に添えられ、指で耳殻や耳朶を弄ってくる。

「……っや、それ……擽ったいっ」

 耳の形を確認するかのように弄られているのを擽っく思って抗議するも、彼は動きを止めるどころかそこに舌を這わせてきた。

「やっ、あッ……ん、」

 耳を弄られているだけなのに、身体が疼いてしまい無意識に身を捩り、嬌声も上げてしまう。

「気持ちいい? その表情、すごくそそられるんだけど」
「……ッ」

 今の竜之介くんは何だか少し意地悪な気がするけど、嫌じゃない。

 口角を上げていたずらっぽい笑みを浮かべた竜之介くんは耳から指を離すと、今度は顎へ指を充ててグイッと持ち上げてくる。

「亜子さん、キスよりも先の事、してもいい?」

 キスよりも先の事――それが何を意味するかなんて、分かってる。

 勿論、断る理由なんて無い。

「…………うん」

 だから私はイエスと頷くと、私の返答にほっとした表情を見せた竜之介くん。

「それじゃあ、俺の部屋、行こうか」
「!?」

 このままリビングでするのかと思いきや、私の身体を軽々と抱き上げた彼は自分の部屋へ向かって歩き出した。

 竜之介くんの部屋のベッドに寝かされた私の上に彼が覆い被さるように跨ってくると、先程同様唇を塞がれる。

 何度も何度も角度を変えながらキスをして再び気持ちを高めていくと、触れる程度のキスだけでは物足りなくなって、徐々に荒々しく強引さが増していく。

 息継ぎをしようと唇を開くと、待ってましたと言わんばかりのタイミングで竜之介くんが舌を割入れてきた。

「……ん、……ふぁッ、んん……」

 舌を絡めて互いを感じ合いながら深いキスへと進んでいくと、だんだん力が抜けてのぼせたように頭がぼーっとしていくけど、

「ッあ、んっ!」

 急に首筋に口付けされたと思った刹那、彼の舌が首筋から鎖骨へと這ってくる感覚にゾクリと身体が反応して嬌声を上げながら身をよじる。

「亜子さん、可愛い」
「やだ……恥ずかしい……っ」
「恥ずかしがらないで、もっと見せてよ」

 竜之介くんは人が変わったんじゃないかってくらい、意地悪さが増している気がする。

「竜之介……くん……っそこは、もう、や……ッ」

 首筋を執拗に攻められた挙句に吸い付いて赤い印を付けてくる彼。

 私の言葉に彼の手がさらに下へと下がっていき、着ていたパジャマのボタンへ指が掛かる。

 私の着ているサテン生地のパジャマは前開きのシャツタイプで、竜之介くんは一つ、また一つとボタンを外していく。
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