【完】おにぎり恋愛日和‼︎
「キャッシュレスで前もって支払えますし、置き配にしてもらったら天音さんの顔もバレずに済みます」
「・・・確かにそれは良いかもね」
「うちの日替わり弁当、栄養バランスも考えられていますし、その時食べられなくても持ち運び出来ますよ」
 
これならば天音さんだって家にいても出先でもうちの美味しくて栄養の整ったお弁当が食べられる。我ながらベストアイデア!!!と満足気になった私は「どうでしょう?!」と前のめりになって尋ねた。

「これで寝不足解消で大御所俳優を怒らせることもなく───、」
「なく?」
「・・・ナクナリマス。スミマセン」

勢いのまま口から出てきた週刊誌の記事。デリカシーのない女に思われる。慌てて口を噤むが、本人は意外とあっさりとした顔のまま。それどころか「まぁ、確かにね」と、まるでお前の割には良い事思いつくじゃんと云わんばかりに頷いていた。
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