今会いに来ました。 カフェラテプリン道中記
 福岡盲学校も預けられた施設も福岡市に在った。
盲学校への通学は時間が掛かり過ぎて無理だった。
 施設でもやっぱり虐めに遭ってしまった。
ぼくは寝小便の常習犯だったからねえ。
午後10時に一度起こされてトイレに行くように言われたんだ。 でも起きなかった。
それに苛立った先輩は暴力を始めた。
殴る蹴るは当たり前。 全身は痣だらけになった。
母もそれには驚いたがどうすることも出来なかった。
 施設職員だってもちろん知っていたよ。
毎日見てるんだもん 知らないはずは無い。
でも何も言わなかったんだ。

 そのうちに虐めはプロレス技が加わって大胆になった。
顔から投げ飛ばされたことだって一度や二度じゃないよ。
それだけじゃ足らなかったのかな?
先輩はぼくを性のおもちゃにした。
口内発射を毎晩やったんだ。
これだって職員は毎日見ていたはず。
それでも何も言わなかった。
訴えても「そんなことをするはずは無いよ。」って揉み消してね。
職員の態度には今だって立派に腹が立つ。
次に生まれてきても絶対に会いたくない人たちだ。
 施設から福岡盲学校まではバス通学だった。
朝8時20分の西鉄バスに乗るんだ。
でもね、そのバスには[愛のバス]っていうヘッドマークが取り付けられていた。
ご配慮よろしい西鉄の行動には恐れ入った。
 わざわざ、そんなことをしてまで「世話してあげないといけない人たち」って印象を世間に与えてくれたんだもん。
まったくの余計なお世話だよ。 何を考えてるのさ?
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