鬼の生贄になったはずが、溺愛されています
ハナの目が大きく見開かれた。
恐れられている鬼が村に降りていくなんて、それこそ自殺行為だ。

光鬼なら簡単に殺されることはないだろうが、それでも人数では勝てない。
万が一ということだってある。


「俺は、それくらいの覚悟ができてるってことだ」


光鬼の言葉にハナはもうなにも言えなくなってしまったのだった。


「わかってくれハナ。人間の寿命は鬼よりも遥かに短い。ハナがいなくなったときのことを考えると、俺は耐えられそうにないんだ――」
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