Moonlight−月光−
ふと外を見た。
一番最初に目についたのはある路地裏で人が群がっている様子。
明らかになにかがおかしい。
わたしにしては珍しくそう思った。
ヤンキー臭い強面の男たちが誰かを取り囲んでいるようだ。
助けに行ったりはしないし、この街では日常茶飯事だから誰ひとりとして助けようとしない。
見かけてしまっても見ないふり、見てないふり。
この街にいるってことはそれを承知で来たはずだから自業自得だ。
それくらいこの街は危険で溢れかえっている。