Moonlight−月光−
…可哀想に。
そう他人事のように思って、ぼんやりと経緯(いきさつ)を見守っていたら思ってもいない方向に事は進んだ。
中央で囲まれていた人物は、突然空中に舞うと目の前にいた男に蹴りを入れた。
「……ぇ…?」
わたしは驚いて目を見開く。
今のように不良軍団に囲まれている人をここから見たことは数回あるけれど相手に反撃する人なんて初めて見た。
だいたいの人は死を悟ったかのようにされるがまま。反撃しようとしても当たらない。そして殴られ続けるのがオチだ。
ーーでも、今回は違う。
さっき感じた違和感はこのことだったのかもしれない。