『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
     ―――古家苺佳(ふるいえいちか)28才と大林瑤子(おおばやしけいこ) 26才 ―――


◇プロローグ

「何ジロジロ見てンの?」

 古家苺佳(ふるいえいちか)はいきなり文句を言い放った目の前の人物の言葉を受け、
思わず周囲をぐるりと見回した。


 今日は娘の幼稚園の晴れの入園式だ。
 早めに着いた為か、まだ他には誰もいない。
 

 いるのは名札に書いてある大林瑤子(おおばやしけいこ)と自分だけ。
 ・・ということは、今の台詞は明らかに自分に向けられたもの? なのか。

『つい見とれてしまって』と軽く返そうとしたのだが、瑤子のほうが一足速かった。


「私の顔がそんなに物珍しいのかな?」


 ひとまず詫びたほうがいいのか? 
しかし、見知っている人を一瞥したことがそんなに悪いことなのか。


 確認したくて一瞥といわず、もう少し長く見てしまったかもしれないが。

 脳内であれこれ考えているうちに苺佳は少々腹が立ってきた。




―――― 登場人物 ―――――

古家苺佳《ふるいえいちか》    28才
古家英介《ふるいええいすけ》   31才
古家眞奈《ふるいえまな》     4才
山波美羅《やまなみみら》    33才


大林瑤子《おおばやしけいこ》   26才  通称名
大林茉桜《おおばやしまお》    29才  瑤子の姉
大林比奈《おおばやしひな》    4才

影山俊介《かげやましゅんすけ》 28才  英介の弟
古家佳乃《ふるいえよしの》   54才  苺佳の母親

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

物語の始まり時 2011年(仮) の年齢とする
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