『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
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 やだなもう。自分がヤンなっちゃった。

 責めたい・・罵りたい・・なのに、口から出てくるのは大した言葉じゃない。



 そんなボキャブラリーの少ない自分の言語能力に打ちのめされる。

――――― 夫の前に座り、食事している一枚の女性の写真。
     それは、瑤ちゃんだった。―――――



 探偵事務所のスタッフは誰も瑤ちゃんのことには触れてこなかった。
 どういうことなのか?


 事務所の人たちは英介さんと私と瑤ちゃんの繋がりを知らないからなのか。

 こんな偶然なんて、ないよね。

 英介さんのことを瑤ちゃんは知ってる。

 英介さんはおそらく瑤ちゃんのことは知らないはず。
 ・・ということは、瑤ちゃんのほうから夫に近づいた?

 夫は女性2人と付き合ってるっていうの? 
 しかも1人は私の知り合いで娘を通じて繋がってる保護者なのよ。


『最低、あんたたち、さいていっ』
また私は泣けてきた。

 私は英介さんのことを信じてた。
 瑤ちゃんのことだって特別な友達だって思っていて心を許してたのに。

  一体私があなたたちに何したっていうの?
 何でこんな酷い仕打ちを受けなきゃいけないの?


『英介さん、瑤ちゃん、教えてよー。もう~いやぁ~』

 私はふたりに向けて文句を垂れ流しつつも、知らず知らず気になることがあった。

 答えがすでに出ているにも関わらず、どちらが先に誘ったのだろうか、と。

 英介さんはほとんど瑤ちゃんのこと知らないのだから、いわずもがなの
こと。


 瑤ちゃん教えて。

 仲良しさんって言いながら私の夫を誘惑してンの? 私を欺いて。

 好きな人からの裏切りなんて耐えられない。

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