『愛が揺れるお嬢さん妻』 かわいいひと
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 ガレージにある車と玄関にある夫の靴を確認してから
「ただいま~」と声を掛けた。


 遅くなった言い訳も、連絡を入れなかった言い訳もせず。

「お帰り~。骨休みできた?」
「うん、できた~」


 私は少し休んでから夫に簡単な夕飯を出した。

 いつもなら夫と少しでも長く一緒にいたくて、少しでもたくさん話が
したくて、同じテーブルにつき、彼が食事を終えるまで側にいるのだけれど、

今日はさっさと入浴を済ませ寝た。



 そして翌日からは
「体調不良で夜中に何度も起きてしまうのしばらく別の部屋で寝るね」と
断りを入れて同じベッドで寝る ことを止めた。



 顔を見るのも話をするのも嫌だった。

 まして隣同士で寝るなんてバツゲームの何ものでもない。

 怒涛の週末を過ごし週明けの月曜日を迎えて思うこと。

 今比奈ちゃんの預かりをしてなくて良かったよ、ほんと。



 瑤ちゃんに対して思いっきりの不信感を持ったまま昨日の今日じゃ
ないけれど、心の準備もなしに夫の浮気相手かもしれない人と会うなんて
平静じゃいられなくて修羅場ると思う。


 七夕祭りのお泊りで嫌な思いをした時も平常心を失くしてしまった。

 ましてや今回のことはあの時の比じゃないぐらい心に大きなダメージを
受けるようなことなのだ。



 私じゃなくたって同じような立場に立たされたら平静じゃいられないと
思う。


 夫婦のいざこざにまさかの瑤ちゃん登場。


 そう、ほんとにまさかよ。
 予想だにしてなかった人物。
 その人は私と交流があり、仲良しさんなのだ。



 山波美羅とは比べようもなくタチが悪い。



 身内に裏切られるっていう感覚。

 信じてた人に裏切られることほど辛いものはない。


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