ワープ先でお忍び王子と母さん探しの旅に出る?!

クマ

「え、ええええっ!?」

何かが降ってくる・・・

何あれ?!

ま、真上から落ちてくるよ?!

な、なんか、赤ちゃんくらいのサイズで・・・

私は受け取るかどうか迷っておろおろしてると、急に、体が後ろに引っ張られた。

「っ!!!」

私が目を開けた時、私の立ってたところに、黒いもじゃもじゃ?

状況把握!

えっと、私の腕には手が・・・

「あ、ルーク」

「大丈夫?こういう時は、逃げるんだよ」

「あ、うん、ありがとう・・・」

感謝を伝えた私は黒い物に近づく。

『ぎゃうっ』

へっ?

今、この黒いやつ、なんか言ったよね。

黒いのは、もぞもぞと動いて、でっかくなったああああ?!

そして、クマの赤ちゃんみたいになった。
立ってる。

なんか・・・

手に銃持ってる。
怖い。
怖い。

ギャップで余計に怖い。

けど、クマちゃんは可愛い。

なでたい。

はっ!

そんなことを考える場合じゃない!

銃持ってるよね。

ただものじゃないよね。

日本なら、つかまるでしょ?!

じゃ、ここは日本じゃないの?

いや、密輸系かも?!

『覚悟!』

がちゃり。

え、えええええええ?!

「しゃ、しゃべった?!」

『俺はクマ!おまえを捕まえに来た!』

「・・・は?」

これ、早速破滅フラグ?

私がなにをしたっていうの?!

いや、ちょっとストップ。

ルークが言う。

「・・・なんでかな?」

うっ、どす黒オーラがここまで見える人、初めて見た。

クマにも、それが伝わったらしく・・・

『な、なんなんだ・・・王子に用はないっ!!』

ぽかん。

今、王子って言った?

でも、王子なんて存在するわけないじゃん?

「ちょっと、間違ってるよ。この人は、ルークっていうの」

クマは、かっと目を見開く。

『何言ってんだい!こいつ、正真正銘・・もがっ』

クマは、あっけなく、ダトスにつかまった。

あらら・・・

必死にもがくけど、人間相手に勝てるわけもなく。

ふふっ、なんだか面白い。

私を捕まえに来て、あっけなく失敗するなんて・・・

「クマの完敗!」

そう言ってにっと笑ったら、クマは目を潤ませた。

えっ・・・

『やめた!』

な、なにを・・・?

『お前捕まえるのやめた!』

そ、そりゃあどうも・・・?

『おれここに住み着く!』

はい?!
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