『オーバーキル』これ以上、甘やかさないで
(匠刀視点)
『もう着いたか?』
『着いたらメールして』
『歩き疲れて、もう寝てんのか?』
21時を回り、風呂から出た匠刀はメールをチェックする。
いつもはすぐに既読になるのに、今日は1時間経っても既読がつかない。
それどころか、別れ際の桃子の言葉が引っかかって、胸騒ぎがしていた。
今まで何度も送り届けて来た匠刀だが、『バイバイ』と言われたのは初めてだった。
『またね』『また明日ね』といつも言う桃子が、『バイバイ』と言ったのが気になって、電話をかける。
『ただいま電話に出ることができません』
「は?」
1コールも鳴らずに、アナウンスが流れた。
匠刀は再び桃子のスマホへ電話をかける。
『ただいま電話に出ることができません』
桃子の声を聞かないと、不安で寝れそうにない。
「兄貴、スマホ貸して」
「スマホ?」
「いいから、貸して」
リビングでテレビを観ている兄の虎太郎にスマホを借り、桃子に電話をかける。
『ただいま電話に出ることができません』
「っんだよ」
「何、どうかしたか?」
「桃子と連絡が取れない」
「……」
「既読がつかないし、電話かけても繋がんないんだよ」
「……お風呂にでも入ってんじゃねーの?」
「1時間も風呂に入る奴じゃねーよ」
「っ……」
心臓に難があるから、長風呂はしないと知っている。
「久しぶりにおばあちゃんに会って、話に花が咲いてんじゃねーの?」
「……そうなんかなぁ」
桃子が祖母の家で年末年始を過ごすことを兄の虎太郎に話してある。
「あ、彼女から電話だ」
ブブブッと震えた兄のスマホに『着信中 雫』と表示された。
匠刀が兄にスマホを返すと、虎太郎は嬉しそうに電話に出た。
『もう着いたか?』
『着いたらメールして』
『歩き疲れて、もう寝てんのか?』
21時を回り、風呂から出た匠刀はメールをチェックする。
いつもはすぐに既読になるのに、今日は1時間経っても既読がつかない。
それどころか、別れ際の桃子の言葉が引っかかって、胸騒ぎがしていた。
今まで何度も送り届けて来た匠刀だが、『バイバイ』と言われたのは初めてだった。
『またね』『また明日ね』といつも言う桃子が、『バイバイ』と言ったのが気になって、電話をかける。
『ただいま電話に出ることができません』
「は?」
1コールも鳴らずに、アナウンスが流れた。
匠刀は再び桃子のスマホへ電話をかける。
『ただいま電話に出ることができません』
桃子の声を聞かないと、不安で寝れそうにない。
「兄貴、スマホ貸して」
「スマホ?」
「いいから、貸して」
リビングでテレビを観ている兄の虎太郎にスマホを借り、桃子に電話をかける。
『ただいま電話に出ることができません』
「っんだよ」
「何、どうかしたか?」
「桃子と連絡が取れない」
「……」
「既読がつかないし、電話かけても繋がんないんだよ」
「……お風呂にでも入ってんじゃねーの?」
「1時間も風呂に入る奴じゃねーよ」
「っ……」
心臓に難があるから、長風呂はしないと知っている。
「久しぶりにおばあちゃんに会って、話に花が咲いてんじゃねーの?」
「……そうなんかなぁ」
桃子が祖母の家で年末年始を過ごすことを兄の虎太郎に話してある。
「あ、彼女から電話だ」
ブブブッと震えた兄のスマホに『着信中 雫』と表示された。
匠刀が兄にスマホを返すと、虎太郎は嬉しそうに電話に出た。