王子は私のモノなんです!
セルジオ目線

1.歪んだ王子とカテリーナ

この国の第二王子として生まれたセルジオは、誰からも必要とされなかった。
もちろん母からも。

母は娘じゃなかったことを絶望し自分を見なくなった。
息子であるということは、“継承順位”が発生するということだ。
それは成り上がりたいがコネのない者がわざとらしくすりより利用しようとしてきたり、また本人に資質があると判断されると他の妃から母子共に暗殺対象にされる。
母の家門に力があればまた話は変わったのだろうが、母の家門は没落した伯爵家で、その美貌故に献上されただけの妃だった。

生まれたのが娘であれば政略結婚として他国に縁を結んだりもでき、そうすれば母本人の地位が“安全に”確固たるものになる。

“男児”が生まれる事によるリスクを何よりも恐れた母は、女児を望んでいた。
だからこそセルジオは母からも不要とされた。

つまり今の俺は、性別だけで母から疎まれ、他の妃からも嫌悪され、資質を認められれば利用され、矢面に立たされる。
また、色も悪かった。
シルバーブロンドの髪に赤い瞳は全て母譲りで、父である陛下の色を1つも受け継がなかったのだ。
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