私がアナタの運命です!-運命だから当然なのに、根拠を求められても困るんですがっ-

1.運命の出会い

 ヘレニウス伯爵家に子供は私しかいなくて。
 
 女の私では爵位が継げないからと、ある日突然目の前に現れたのは私より七歳下の、遠縁の男爵家の……なんかよくわからないけどとりあえず金色の髪が綺麗なまるで天使の男の子――


「シルヴィエ、今日からお前の義弟になるバージルだよ」
「ば、バージル・ヘレニウス……です」

 まだ新しい名前に慣れないのか少したどたどしく挨拶してくれたその男の子は、まだたったの五歳だったけれど。

“一目でわかったわ……”


「私はシルヴィエ。貴方の」

“そう、私は。私たちは――”

「運命の人でぇっっす!!!」
「は?」





「あの頃は可愛かったなぁ」
「今も義姉さんは頭おかしいけどな」
「どうして?」
「どうしてって……」

 そんな運命の日から14年。
 ジルは19歳になり、私は現在26歳。

 20歳で結婚するのが当たり前のこの国では少々行き遅れてはいるか、まだジルが19歳なのだから仕方なく――
 

「この金髪! 私の瞳が金色なのは、ジルの髪色を映しすぎたからだし」
「いや、義姉さんの瞳の方が先だろ」
「この唇! まさに私を狙う妖艶な艶やかさで」
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