私がアナタの運命です!-運命だから当然なのに、根拠を求められても困るんですがっ-
「いーや、厄介だね! だって問題があるから結婚出来ないんだろ」

“も、問題があるから……!?”

 いや、確かに問題はある。
 ジルがまだ19歳だという点だ。

「だ、だって結婚するには少し早いから……」

 だから、プロポーズしてくれていないだけ。
 でも、私たちは運命の相手同士なのだから今まで心配なんてしたことなんてなくて。

“でも、ジルの友人は婚約したって言ってたわ”

 確かに結婚は20歳でも、婚約は事前に結ぶのだから今してもいいはず。

「けど私たちは家族でもあるから」

 わざわざ婚約なんて結ばなくても、家族の形が変わるだけで他は何も変わらない。
 何も変わらないから、わざわざ婚約しないのかと思っていた。

 
“――本当に?”

 
「俺ならあんな義姉絶対嫌だな。バージルもさっさと結婚して出てって欲しいよな」
「つか、あんだけベタベタ引っ付いてくるとか気持ち悪くないか?」
「あー、俺もあれは無理だわ。さっさと引き取り手が見つかればいいけど、本当にバージルは義姉が足引っ張って災難だよな」
「あんなんがいる家に嫁ごうなんて令嬢、滅多にいないよなぁ。御愁傷様」

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