私がアナタの運命です!-運命だから当然なのに、根拠を求められても困るんですがっ-
 私は運命を感じているのに。


「根拠って、何なのかしら」


 口癖のようにジルから出る『根拠』という言葉に、私はどうしても明確な答えを出すことは出来なくて。


“根拠があれば、ジルもこの運命を運命だと認めてくれるかしら”

 そうしたら、プロポーズしてくれるのかしら。
 だって私たちは運命なのだから。


「運命を……立証する根拠……」


 私はジルとの運命を証明し未来を掴むための根拠を提示するために今晩『作戦』を決行する決意をした。



 そして伯爵家のみんなが寝静まった、そんな時間。
 
 ベッドの下に隠していた小さなフォークと最後の仕上げにこっそり厩舎から持ってきていたショベルを手に持って。


「毎日深夜まで作業してきたんだからね!」


 毎日フォークで明け方近くまで少しずつ削った私とジルの部屋を阻む壁。
 
 やっとジルの部屋の明かりが漏れ見えるようになったこの穴目掛けて思い切りショベルを振り下ろし――



「う、わぁぁあ!!?」
「きゃぁあ!」

 バキャッと聞いたことのない音が響き冷や汗がドバッと出る。
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