心の中だけうるさい私はウチの坊っちゃんが可愛くて仕方ない

2.喜んでと申しました

 “そんな純粋なお姿も堪らなくお可愛らしい……!本当に世界一です”

 ギュドルンギュドルンと高鳴る鼓動。
 流石にこの心音は恥ずかしいので、出来れば気付かれないといいなぁなんて思いつつ私は説明を続けた。


「お相手の胸を揉まれるということは、互いに望まれてその行為に及んでいるということでございましょう」
「互いに望んで……」

“あら?何故か少し落ち込んでしまわれたわね。けれど私の坊っちゃんが無理やりどこかのご令嬢に触れるなんてことするはずありません”

 18歳、遅すぎる思春期だから繊細なのだろうと理由付け納得する。

「ならば、もっとお相手様の表情を読みつつ女性の感じるところにどんどん触れても構わないかと」
「その表情が読みにくいんだっ」

“練習相手が私ではそうなりますかね”

「大丈夫です、私は上手く表情が作れませんが、世のご令嬢はその限りではございません」
「他の令嬢じゃ意味がないんだが……くそ、感じさせればいいんだな!?揉むぞ!揉んじゃうからな!?」
「喜んで」

 少しやけくそ気味になられているところも可愛い私の坊っちゃんは、意を決し両手で胸を揉みはじめる。
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