君と一番の恋をする
終止符を打つ
真っ暗だった視界に、一筋の光が差し込む。

目を開けると、白い天井が目に入った。


あれ、どこだろう、ここ……。


独特な薬品の香りが鼻をつき、私は起き上がる。

たしか、休憩するために空き教室に行こうとしたんだけど……。なぜかそこからの記憶がない。

周りを見渡してみると、そこは保健室だった。


えっ、なんで……。というか、お店は?私、ずっと寝てた?

窓には、オレンジ色の空が見える。外からは、遠い歓声や騒ぎ声が聞こえてきた。

もしかして、後夜祭まで寝てた……?


サーっと血の気が引いていく。いやだって、クラスの出し物とか、吹部の演奏とか、全部すっぽかして保健室で寝てたってことだよね?信じられないよ、こんな自分に……。

だけどその代わりに、身体が軽くなって、まだ万全じゃないけど午前中よりかだいぶ良くなった。

……でも絶対、迷惑かけたよね〜……。来週、謝らなきゃ。



「……あ、せんぱい、起きたんですか?」



どこからか声がして探すと、すぐ近くで丸椅子に座って眠そうにしている陸人くんがいた。

今朝とは違って、制服姿だ。
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