君と一番の恋をする
初恋の君

そのちょうど一週間後のお昼休み。また私は陸人くんに屋上へ呼び出されていた。
今度は、侑人も一緒に。


「そもそもお前」
「学校では一応俺は先輩なんだけど」
「別にいいだろ」


目の前には、言い争う男子生徒が二人。なんだこれ。陸人くんは、呆れたようにハアとため息をついた。


「どうせお前のことだから話したことないんだろうと思ってたけど、まさか真由帆が侑人のこと知らないとはな」
「だから、陸人が計画してくれたんだろ。デート」


……ん?で、でーと??
侑人から細胞もびっくりな言葉が飛び出してきて、思わず目が点になる。

今、デートって言った?なにかの聞き間違いかな。


「それが人に物を頼む態度かよ」
「……うるさい」


え、なにこの二人、家ではいっつもこんな感じなのかな。というか、この空気は!?私ここにいるんですけど。ここ磯田家じゃないけど!
なんて言葉が脳裏をよぎり、風で膨らんだ髪を右手で押さえる。


「ねえ、デートってなんのこと?」


私がそう問えば、言い争っていた侑人と陸人くんがこっちへ振り向いた。すると、陸人くんが不思議そうな顔をする。


「あれ、言ってなかったですか。たしかメッセージ送ったはずなのに」


え、メッセージ?そんなもの送られてたっけ。
陸人くんがポケットからスマホを取り出したので、私もスマホを確認してみる。
一週間前に交換したばかりの連絡先をタップして履歴を見てみるけど、そんなものはない。というかなにもやり取りしていないので画面がきれいだ。

そういえば今日呼び出されたのだって、侑人を経由してだったし。
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