女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
 なんか入口からして高級感が漂っている。
 つくづく、私って庶民だと実感してしまった。
 店員はみんな身なりもキチッとしていて洗練されている感じがする。
 もう入店しただけで緊張してきた。
 私なんて及びでないのでは?
「ねえ玲人くん、私近くのカフェでコーヒーでも飲んで待ってるよ」
 玲人くんに目を向けて言ったら、彼が微かに顔を顰めた。
「いや、優里にいなくなられると困るんだけど」
「でも、私センスないからいても意味ないよ」
 玲人くんの方が絶対センスいいのに。
「好きなの選べばいい」
 玲人くんの言葉に首を傾げた。
「好きなの選べばって……玲人くんのシャツとか買うんじゃないの?」
「違う」
 玲人くんとそんなやり取りをしていたら、黒いスーツを着た女性店員さんが私たちに近づいてきた。
「四条さま、お待ちしておりました。ご案内いたします」
恭しく頭を下げる店員さんとともにエレベーターに乗ると、三階に案内された。
「ここ……ブライダルフロア?」
 ショーケースがたくさんあって高価そうな指輪がたくさん並んでいた。
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