こんなはずではなかったのだが…… ― 女嫌いな天才脳外科医は真実の愛に目覚める
14,私との結婚は彼にとって最大の番狂わせ
「え? ここって……」
 私が家出をした週の週末、朝食を食べた後に、『華江さんのところに行く前に、ちょっと立ち寄りたい場所があるんだ』と彼に車で連れて来られたのは、銀座にあるフランスに本店がある高級ブランドショップ。
 シャツでも買うのかな?
 私には無縁の場所だが、玲人くんにとっては普通の店とそんな大差ないのだろう。。
 仕事も受付に無事に復帰できて、また平穏な日々を送っている。
 玲人くんの家族とも一度食事をして、彼の父親である副医院長からも『酷いことを言って申し訳なかった』と謝罪された。
 プライドが高そうな副医院長からの突然の謝罪にただただ驚いた。玲人くんの話では、家族みんなからこっぴどく叱られたらしい。特に、あの優しそうな院長に、『考えを改めなければ、うちの病院を辞めてもらう』と厳しく叱責されたとか。
 まだ副医院長と打ち解けて話すことはできないけれど、時間をかけていい関係を気づいていけたらと思う。
 ドアマンがドアを開けてくれて、思わずペコペコしながら入店する。
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