女嫌いの天才脳外科医が激愛に目覚めたら~17年脈ナシだったのに、容赦なく独占されてます~
『どうせ誰とも結婚する気がないんだからいいじゃない? あんたも周囲から結婚しろって煩く言われることもなくなるわよ』
 確かにアメリカから帰国してから、祖父や父に見合いを勧められるようになって、うんざりしていた。
 しかも、姉が今年結婚したものだから、身内は余計に俺の結婚に関心を持っている。結婚する気はないと言っても周囲は引かないのだ。
『優里を都合のいい道具にするつもりはないよ』
 面倒な結婚から逃れるために彼女を利用するなんてできない。
『だったら優しく愛してあげるのね』
 フッと微笑する姉がなにかを企んでいるように思えて眉間にシワを寄せた。
『俺には無理な話だ……⁉』
 反論する俺に、姉は手に持っていた紙袋を俺に手渡す。
『はい、これ、優里ちゃんの着替え。いらないからあげるって言っておいて。新しい下着も入ってるわ。じゃあ』
『ちょっ……勝手に話を終わらせないでくれる?』
 帰ろうとする姉を引き止めようとしたが、彼女は俺の顔も見ずにひらひらと片手を振る。

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