ひとたらしどうし
「大丈夫?」


もういちど、問われると同時に離れてしまった、優しいてのひら。


触れられていた腕に残る、やわいぬくもり。


遅れて、どくんどくんと鳴り出す心臓。


……あぁ…、死んでもいい…


「ふふ。大丈夫そうだね?あ、あとで現場に行くので、よろしくお願いします」


とん。と、浮いていた椅子を降ろして、颯爽と歩いて行く広い背中を見送った。


「あ、叶夢さんっ!待ってくださいよー!オレも行きます!」


じゃあ、実奈ちゃん、あとでねッ!


遅れてついて行く、大輔くん。



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