溺愛社長の2度目の恋
吐き捨てるようにそれだけ言い、その場を逃げ出すようにリビングを出た。
自分の部屋へ行き、ドアに背を預けてずるずると座り込む。

「……そう、だよね」

わかっていたはずじゃないか、有史さんにとって私は、それだけの人間だって。
なのになんで、ナイフでズタズタに切り裂かれたみたいに胸が痛いんだろう。
優しくされて、勘違いしていた私が悪いのだ。
有史さんにとって深里さんが一番。
私なんて見てくれるはずがない。
わかっていて、有史さんにあんな言葉を言わせた。

「……最低だ」

私も、有史さんも。
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