溺愛社長の2度目の恋
第2話 サインをお願いできるかな?
天倉社長との結婚を決めたあと、始業時間までこれからの仕事について打ち合わせをした。

「早速、古海さんに頼みたい仕事があるんだよね」

「頼みたい仕事、ですか……?」

いくら今までの実績あるとはいえ、入ったばかりの私にいきなり仕事を任せてくれるの?

「レストラン経営をしている、僕の後輩の案件なんだけど。
今度、リゾート地に新規物件を建てるんだ。
そのデザインを頼みたい」

真っ直ぐにレンズの奥から、天倉社長が私を見る。

「私でいいんでしょうか……?」

「うん。
古海さんがいいんだ」

彼が頷き、嬉しくなっていく。

「わかりました、お受けします」

この会社に入れただけでもラッキーだったのに、社長は私に期待してくれている。
俄然、やる気が出てきた。

そのうち、ガラスを挟んだオフィスにも人が出勤してき出す。

「おはよう」

「おはよう、健一(けんいち)

社長室に入ってきたスーツの男性は、天倉社長とは違った方向に渋いイケオジだった。

「紹介するね、専務の末石(すえいし)だよ。
健一、こちら、今日から働いてもらう古海夏音(なつね)さん」

社長が手招きし、彼に私を紹介する。
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