溺愛社長の2度目の恋
「俺が絶対になんとかしてやるから、心配しなくていい。
大船に乗った気でいろ」

「……ありがとう、ございます」

力強く彼が頷き、少しだけ肩の力が抜けた気がした。

しっかり昼食を食べて会社に戻る。
まともな食事をしたのは、いつぶりだろう?
それくらい、有史さんがいなくなってから荒んだ生活をしていた。

「さてと」

帰ってきていた末石専務を含めて作戦会議……ではなく。
檜垣さんの説教が始まった。

「末石さん、社員の管理ができてなさすぎ。
このところ夏音ちゃんが突出して残業してんの、おかしいと思わなかったのかよ」

「うっ」

彼の正論に、末石専務はなにも返せないようだ。

「夏音ちゃんも。
会社のシステム切ってから、残業してんだろ?
誰がそんなことしていいっつった?」

「うっ」

檜垣さんに睨まれ、ソファーの上で正座しそうになった。

「だって、バレたら怒られると思って……」

「どっちにしろ、怒られるの。
だからこれからは絶対にやるな!」

「は、はいっ!」

特大の雷が落ち、飛び上がった。

「そんな悪い子にはこれ、やれねぇな」

テーブルの上に滑らされた封筒を見つめる。

「これは……?」

「天倉さんが出席しそうなパーティの招待券」

これがあればまた、有史さんに会える……?
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