溺愛社長の2度目の恋
結局、なにも言えないまま家に着いた。

「深里に挨拶、してくるね」

「あっ……」

お持ち帰りしたケーキを手に、有史さんが深里さんの部屋に消えていく。
それが当たり前で普通だとわかっていた。
そして私もそれが、尊いと思っていた。
でも、なぜか逃げられたんじゃないかと今は思ってしまう。
しばらくリビングで待ったが、有史さんは深里さんの部屋から出てこなかった。
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