誰にも言えない秘密の恋をしました       (君にこの唄を捧ぐ)
心が空っぽだと思う。

日々それを紛らわす為、身体をジムやプールで限界まで追い込み疲れ果てて眠る毎日を繰り返す。

良く行くショットバーのバーテンダーに眠れないとこぼすと、後腐れない女でも紹介しましょうか?と、真顔で言われた。

誰でもいいなら抱く事は簡単だ。

そう言う時期が蓮に無かった訳じゃ無いから、苦笑いして聞き流したが…。

気持ちの無い行為が虚しいだけな事は、とっくに知っている。

だからと言って心動く人はただ1人。

分かっている。

どうしようも無く逃れられないのだ。

忘れようとすればするほど、
忘れなければと思えば思うほど、心は彼女を求め会いたくなる。

一方的なその思いで彼女を巻き込む訳にはいかない。

俺なんかに関わったら不幸になる。

彼女は、健全で真っ当な道を歩くべき人なのだ。
と、蓮は思う。
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