麗しの旦那様、私の愛は重すぎですか?
『なにがいいかな……?』
暁成はそう呟くと、タブレットで何やら調べ物を始めた。
(どうしたのかしら?)
好奇心がくすぐられた櫻子は動画をスクショして、ディスプレイが鮮明になるように画像加工ツールで処理した。
どうやら出張先である青森の名産品を調べているようだ。
沢山お土産を持って帰ると言っていたのは嘘じゃないらしい。
(暁成さんってば、わざわざ調べることないのに……)
思わずクスリと笑みが溢れる。
暁成が選んだものなら、ガムの一切れだろうと櫻子は喜ぶに決まっているのに。
(可愛い人ね)
エリートの一面ばかり強調されるが、暁成はあれで意外と可愛らしいところもある。
プロポーズの時もそうだった。
『僕と結婚してくれないか?君には僕のことだけを見ていて欲しいんだ』
あれは、そう。
付き合い始めて九十五日目のことだった。
営業部の社員からしつこくデートに誘われ、櫻子もその気になっていると噂になっていた時期だった。
暁成と付き合っていることを周りに秘密にしていたからこそ生まれた誤解だ。
ところが、真実を知っているはずの暁成がどうしてか焦り始めた。
櫻子が他の男性に心変わりするのではないかと悩んだ末の解決策が、あの性急なプロポーズだった。