ファーレンハイト/Fahrenheit
 右手をワンピースの裾へと伸ばし、手繰り寄せた。柔らかな布地はひんやりとしている。

 舌を先端に絡めて転がすと、優衣香はまた体を仰け反らせる。
 ワンピースの下から手を入れて、ショーツの上から中心をなぞると、しっとりと柔らかくなっていた。

 ――今すぐ挿れたい、けど……。

 優衣香の唇に軽く重ねて、鼻の頭をくっつけた。
 指先は内腿をなぞっている。
 目線を交わすと、優衣香は目をそらした。

「優衣ちゃん、どうして欲しい?」

 優衣香は何も言わない。潤んだ瞳で見つめられるだけだ。
 左手で右頬に触れ、親指で下瞼を押し下げるように撫でると優衣香は困ったような表情をして少し笑った。その笑顔が愛しくて、額にキスをした。
 そしてもう一度、今度は深くキスをする。
 お互いを求め合って長い時間唇を重ねていた。
 優衣香の柔らかい舌先を感じながら、ゆっくりと舌を動かした。
 唇を重ねたまま、そっと手を太ももの内側に滑らせていく。でも、体温より熱いそこには、触れない。

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