「推しカプを拝みたいだけ」で王子の婚約者選抜試験に参加したのに、気がつけば王子の子を妊娠してました
「と言うわけで殿下、シチュエーションは整えましたので」
「あ、ああ……」

 ニーナがリーゼを置き去りにした場所から、ほんの100m程離れた木の影に、ニーナとエドヴィン王子、そしてアレクサンドラの3人が潜んでいた。

「いいこと?ここで失敗したら一生ヘタレ殿下って呼ぶわよ」
「…………」

 公式行事……特に外国からの賓客が来た時にそう呼ばれでもしたらたまったもんじゃない。
 死ぬ気で阻止しなければと、エドヴィン王子は思った思った。

「とりあえず殿下。手筈は整えたので後は殿下次第ではありますが……いけそうですか?」
「あ、ああ……お前のおかげだ、ニーナ。ここまで本当にありがとう」
「…………はい…………」

 まだ、成功するどころか何も始まってないのに、何故さもうまくいったかのようなお礼を言うんだろうと突っ込みたかったニーナだったが、緊張がそうさせてるのだろうと察しはしたので、ツッコミは勘弁してやった。

「では殿下。さすがにこれ以上待たせると、リーゼ様がまたどこかに勝手に行ってしまうので、早く行ってください」
「勝手に行くってどういうこ」
「行くんです。リーゼ様は。残念ながらそういうものなのです」
「そういうものって……」
「とにかく、一刻の猶予もありませんので、早く心の準備をして!」
「わ、分かった」

 エドヴィン王子はお守り代わりの蜜愛文庫をパラパラとめくり、予定していた第一声をイメージしてから

「よし!」

 とリーゼの方に向かった。
 そのタイミングで、リーゼは椅子から立ち上がってしまっていたのだが。
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