アラフィフママを溺愛するのは植物男子でした
 翌朝──。

「結衣子さん、朝ですよ」
「……わあ!?」

 いつもは小鳥のさえずりや目覚ましで起きるのに、今日は耳元に低音ボイスが聞こえて飛び起きた。
 どうやって耳元に? と思ったら、どうやら膝は曲げられるようだ。
 昨日のことは、夢でもドッキリでもなかった。
 しかし、この状態でぐっすり眠ってしまった自分の神経が恐ろしいわ……。

「気分はどうですか?」
「そういえば……」

 いつもより寝覚めはいいし、頭はスッキリしている。
 起きて洗面所で鏡を見ると、肌のコンディションもいいし、化粧のノリが断然違う。髪をとかせばサラッサラだ。
 本当に、マイナスイオンでも出してるのかしら?

 支度をして家を出る時間になったので、慌てて彼のそばに霧吹きを置いておいた。それと、日光が当たらなくなってしまったので、気休めだけど照明のリモコンも。
 これで、万が一私が仕事で遅くなっても大丈夫でしょう。

「いってきます」
「いってらっしゃい」


 会社に着くと、三島(みしま)さんが私の変化に気がついた。
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