アラフィフママを溺愛するのは植物男子でした
「ミノ。私、ミノのこと好きよ」
「わかってます。でも、俺は人間じゃないから……。おかしいですね、開花した頃は、結衣子さんが望まなければ枯れてしまってもいいとさえ思っていたのに。今は結衣子さんと離れたくありません」

 ミノから不安が伝わってくる。
 もっとミノとの時間を作らなければ、本当に(しお)れてしまいそうだ。
 不安を和らげようと再び近づくと、力強く腕を引っ張られ引き寄せられた。
 そしてまた軽めのキスをされる。

「隙ありですね」
「もうっ!」

「演技だったの?」と問うと、ミノは「不安なのは本当ですよ」と答えた。

「ミノ……。私、あなたとの時間をもっと作れるように考えてみるわね」
「ありがとうございます」

 私が眠るまでは枕元の明かりをつけて、ミノは優しく頭を撫でてくれる。

「おやすみなさい、結衣子さん」

 ミノの低く優しい声で、私はいつも安心して眠れるのだった。
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