アラフィフママを溺愛するのは植物男子でした
 次の日の夜は私とミノが主寝室で寝る番だ。
 と言っても、ミノは布団で寝ることができないので、隣にいるだけなんだけど。
 でも最近は、布団に入るまでの時間が大変で……。
 私がベッドに横になってしまうと、ミノは私に対して頭を撫でるとか、手をつなぐくらいしかできなくなってしまう。なので、航くんに対抗しているのか溺愛っぷりがヒートアップしているのだ。つまり、航くんにできないこと(・・)までやろうとする。

「待って、ミノ……!」
「待ちません」
「んっ……」

 キスを許してしまった。
 植物といっても、足元以外は人間とまったく変わらない。
 一体、どういう構造をしているのか。
 唯一違うのは、吐息から花の香りがすることだろうか。
 まるで媚薬のように、体の髄まで浸透していくようだった。

 私はミノが好きだ。その気持ちに偽りはない。
 でも、やっぱり心のどこかで深い関係になってしまうのを恐れている。
 だから、気を許した隙に服の中に手を入れられても……受け入れられずに離れてしまうのだった。

「結衣子さんの嫌がることをしてしまうなんて、俺は人型植物失格です……」

 項垂(うなだ)れるミノを見て、申し訳なく思った。
< 51 / 54 >

この作品をシェア

pagetop