泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─

花嫁、引きこもり始めました



ステラは夫婦の寝室で、花冠を壁に吊るしながら大ため息をついた。


先日子どもたちにもらった花冠が朽ちるのが痛ましいので、乾燥させて長く美しさを持たせることにしたのだ。


ステラが肩に乗った小さな赤い鳥に話しかける。


この赤い鳥はステラの肩がえらくお気に入りのようで、窓を開けていると勝手に入って来るようになった。 

すっかりステラの話し相手だ。


「あのね鳥さん、ジオ様はね。嘘みたいなんだけど、毒が効かないみたい」


初デートにて初暗殺に失敗したステラだが、一人ジオの物置部屋で泣き喚いてみたものの現状は変わらない。


気を取り直して、母を救うためにあれから何度も暗殺に挑戦した。


ユア王女の言いなりなステラだが、母を守るために優しさを捨て去る所業は潔かった。

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