泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
毎晩一緒の部屋で寝ているので、焦らなくてもジオに水を渡す機会など山ほどあった。
ジオが猛毒入り水を飲むたびに、飲み終わるまでじっとり見つめてみた。
ジオの頬がほんのり薄紅色になるだけで、あれ以来咳き込むこともしなかった。
何度も繰り返してやっとステラにも、ジオの特異な体質「毒耐性」が理解できた。
「どうしよう。もう毒がなくなっちゃった」