泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ジオが恋々で彩る視界でステラを見つめていれば、ステラの全てが可愛かった。
星明かりの薄暗い部屋で、ジオはずっとステラを眺めていた。
(あーもう可愛い、大好き。ものすごい好き。もっと、仲良くなりたい)
ジオがステラへの恋心を咲かせていると、ステラの眉がぎゅっと寄った。目を覚ますのかと思ったが、ステラはか細い声で寝言を言いだした。
「……お、か……さん」
(お母さん?)