泣きっ面に恋々!─泣き虫な身代わり花嫁と、泣き顔フェチな純真王子の恋々な結婚事情─
ジオは慌てふためきながらも何度もステラの頭を撫でて自分を落ち着かせる。ジオはきちんとステラの青い瞳を見つめて優しく笑った。
「俺たちはせっかく夫婦になったから、
俺のこと本当に好きになって欲しいんだ」
涙で冷静でなかったステラの耳にも、ジオの真摯な声がしっかり届いた。ジオはステラの白い髪を柔らかく撫でて、また安心させるように微笑む。
「俺のこと好きになってくれるまで、無理に抱いたりしない」
右手の肘から先を空に向けて上げたジオは、きっちり宣誓した。
「結婚式で、ステラのこと大事にするって誓ったから。
俺、たくさん待てるつもり。
ゆっくり俺のこと好きになってくれたら嬉しい」
ジオが小首を傾げると、バルコニーに爽やかな風が通り過ぎる。
「俺のこと、信じて?」