喫茶店の悪魔

もし今、全部忘れても


今日からは私があのベッドで寝る番だ。

夜は、昨日とは違いひとりで気持ちよく寝ることができ、天さんはキッチンで寝ることになった。


スッキリとした次の日の日曜日の朝。


毎週日曜日はバイトを休む人していたので、そもそも喫茶店のバイトが今日はない。


「あの、どうして遊園地に」


リュックに荷物を詰めながら聞いてみた。


「ん?あー親が友達と行ってこいって」

「親ですか」

「まー別に行く人いないし、澪と行こっかなって」

「あの、聞いてもいいですか。」

「ん?」


本当は私自身、あまり聞きなくもなかったが、流石に聞きたい。

恐る恐ると、歯ブラシを口に入れて歯磨きをしゃかしゃかとする天さんに顔を向ける。


「どうして、私となんですか?絶対に絶対に楽しくないです。天さんは優しいし、面白い人だし、私なんか面白くもない嫌な奴と行かないほうがいいと思うんです。天さんの数いる友達と行くほうが何百倍も…」

「あああ!!うるしゃいうるしゃい。今歯磨き中ちょっと待しぇ。あと澪は嫌な奴じゃないしゃら」
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