喫茶店の悪魔
「ただいまー!澪!聞いてよ!」
「おかえりなさい、です。私も天さんに聞いてほしいことがあるんですけど」
玄関で、おかえりとお出迎えすることも出来ないくらい、勢いよく部屋に入ってきた。
リュックを床に放り投げた天さんのために、拾ってしっかりと決めた場所に片付ける。
走ってきたのか、髪が乱れている。
「じゃー澪から。聞いてほしいことってなに」
「喫茶店のバイトの先輩が、ここの3階に住んでいたんです。それで、私と天さんの関係をいとこ同士と言っておきました。」
天さんは真剣な表情で1度下を向き、理解したように顔を上げた。
「なるほど。んなら、俺らはいとこ同士ってことにしなきゃなんだ」
「そういうことです。すみません、咄嗟に」
「大丈夫了解。んじゃー次俺の番」
急に目をキラキラと輝かせて私を見る。眩しすぎて直視できない。
ポケットから2枚の紙切れを取り出した。
…ん?どゆこと?
「なんですか?」
「澪。一緒に、行ってくれる?」
「なにをですか?」
なんだ、ろう。なんか、怖い。
「遊園地」
「……はぁ?」