Fortunate Link―ツキの守り手―
自分の意思で体を動かすことがかなわない。
そんな俺を瀬川は冷めた目で見下ろしてくる。
「これは本気の殺し合い。負けた者には死あるのみ。」
歌うように言いながら、落ちているクナイの一つを拾う。
「お前の本質はそういう死と隣合わせの戦いの中でこそ発揮されるはずや。
血と戦いを好むお前の中の血を目覚めさせたろって親切にも吹っ掛けてやったのに…残念やわ」
意味不明なことを言う瀬川に対し、俺は睨むことしか出来ない。
――とそこへ、
「 おい。さっきから黙って聞いてりゃ、いい加減なことばっか言ってんじゃねーぞ。オレンジ頭」
アカツキが立ち上がり、瀬川の方を睨み付けていた。
「おっ。急にどうしたんや?アカツキちゃん」
瀬川はアカツキの方を振り返り、飄々と問いかける。
「シュンの何を知っているつもりか知んねーが、勝手なこと語ってんじゃねーよ。
シュンはお前の言ってるような人間じゃねぇ。こいつの本質はただのヘタレ男だ」
突っ込みたい部分はあるが、俺は黙ってアカツキを見た。
「ほぅ。おもろいこと言うなあ。アカツキちゃんは」
瀬川は目を細めた。
「せやけど、アカツキちゃんも見とったやろ。
俺もこいつも普通やない。目的の為なら殺し合いも出来てしまう」
「………」
肯定も否定も出来ない。
こいつの言葉が、表面上だけの薄っぺらではないことを直感的に感じたから。
奴は奴の言うように確かに普通ではない。
普通という一線を越えてしまった――得体の知れない孤立した強さを内に秘めているように思えて。
……不気味だ。
「そして体にそれが染みこんどる。意図せんでも動けてしまうほどに」
「……ち、違」
俺は必死に否定しようとした。
「違わへん」
しかし、瀬川は強く断言してきた。