Fortunate Link―ツキの守り手―
「っていうか、お前こそなんでここに居る?」
アカツキが詰め寄るように近づき、俺を睨んでくる。
「いや……。…これは……」
するところっと表情を変えた白石さんがまたも俺の腕にくっついてきた。
「私が連れて来たんですぅ」
「……お、おい…」
「ほぅ」
今度はアカツキの眉間がピクピクと震えている。
「私が船上パーティーでゲームに出るって言ったら、応援しにいくよ、って守谷君が言ってくれてー」
「ちょっ」
んなこと言ってねぇし!
「ほほぅ」
アカツキの眉間に深い皺が一本追加される。
「そんな感じで、朝からイイ感じなんです。
今も守谷君と一緒に優雅なクルージングタイムを楽しもうとしてるとこなんです」
白石さんが俺の腕にすりすぎゅっぎゅっしてくる。
「ねぇ♪
今から水着に着替えて、プールで一緒に泳ぎにいきましょう!」
腕をぐいっと引っ張られ、連れて行かれそうになったが、
「うぐっ」
今度はその進行方向とは逆に後ろから襟首をつかまれた。
「ちょっと待て、コラ」
この物騒な声はアカツキだ。
「前にも言ったと思うが、こいつは私のもんだ。勝手に持ち出さないでくれるか?」
「あなたのもの…って。
守谷君は物じゃないわ」
その意見には同感だが……。
って、それよりも何よりもまず、腕と首を引っ張るのをやめて頂きたいのですが。
(…ぐるじぃ)
「じゃあ、不本意ではあるけれど、三人で遊ぶっていうことでどうかしら?
その様子を見るに一人で来てるんでしょう?
この広い船内で何をしたらいいのか分からないんじゃない?」
「ちっ」
アカツキは掴んでいた襟首を離した。
解放された俺は「助かった」と思いながら肺に空気を送り込む。
「それでは水着に着替えに行きましょう!」
「おい。
水着なんて持ってきてないぞ」
「そんなの私が用意してあげるってー」
あんまり乗り気じゃないアカツキの背中を押しながら、白石さんはノリノリで言った。