水の国の王子様は従者を溺愛中!
夫婦ごっこ


私も遅れて顔が熱くなってくる…


「うぁ……拒めるわけないじゃないですかぁ…魅入っちゃう顔や瞳しててズルいです…」

「えっ……それって俺の容姿…気に入ってくれてるって事?」

「カイ様の容姿気に入らない人なんていないですよっ…」

「……それならキスしておけば良かったな」

「……ふ……夫婦なら……しても……問題ないかと……ン……」

こんな機会逃したら…とか、今は一時の感情なだけだからとか考えているうちにカイ様と唇が触れる様に重なっていた。

一度唇が離れると、目が合ってまた唇が重なる。

口付けが深くなり、カイ様の舌が唇を割って入ってくるとどうしたら良いか分からないし、もう…心臓が…ドキドキし過ぎていっぱいいっぱいになってしまって自分から唇を離してしまった。

「ま…まだ…これ以上は駄目です……心臓持ちません…」

「…急ぎ過ぎたね、続きはまた今度だね」

カイ様はそう言ってチュッと軽くキスをする。


また…今度……??またキスする事あるの…??
私…ずっと憧れてたカイ様とキスしちゃった。

まだドキドキ鳴っててうるさい…

カイ様の唇の感触忘れたくないからもう他の人とキス出来ない!

カイ様を見るとフッと微笑みかけられて、いつも格好良いのにいつも以上に格好良く見えてまた心臓がうるさくなって俯いて顔を逸らした。

どうしよう…もう憧れじゃなくてカイ様に完全に恋しちゃってる。
恋なんてしてる状況じゃないのは分かってるのに。

昼間とんでもないショックな光景を見てしまったというのに、今はカイ様の事とキスの事で頭がいっぱいでこの晩昼間の光景がフラッシュバックしてくる事はなかった。



全然眠れなかったような気がするけど、いつの間にか眠っていて朝になり、目を覚ます。

カイ様を見るとまだ眠っていて寝顔が綺麗でつい見とれてしまう。

< 25 / 54 >

この作品をシェア

pagetop