水の国の王子様は従者を溺愛中!
着替えを終えるとカイルはダニエル国王様に紹介をしてくれる。
「改めて…俺の恋人のリディアだ」
「先日はお花ありがとうございました…ダニエル国王様、お目に掛かれて光栄です」
挨拶をするとダニエル国王様はスマートに私の手の甲にキスをした。
やっぱりダニエル国王様もすごく魅力のある人だ。格好良い…
「リディアちゃんに会えて光栄だよ、俺達しかいないから畏まらなくていいぞ!しかし、まさかカイがこんなデレデレしながら恋人を紹介してくれる日が来るなんて思わなかったな」
「デレデレなんてしてないよ!」
「ハハッ!カイが夢中になれる恋人が出来て俺は嬉しいよ」
二人のやり取りはカイルの見た事のない一面が見れて微笑ましかった。
晴れているうちに出発しないとまた天気が崩れるので名残惜しいけれど、ダニエル国王様は王都へ私達はローテァシアへと向かう事にした。
「リディアちゃん、カイは自分の事は二の次にして人の事を優先する所があるから無理させないよう頼んだよ」
「はいっ…私もカイルの事守れるように頑張らなくらちゃ」
「そんな心配いらないよ…ダニエル、来てくれてありがとう。どうか元気で…」
「あぁ、二人もな。結婚式する時は呼んでくれよな?」
「ふッ…なるべく早く生活安定させるよ」
馬に乗って去っていくダニエル国王様を見えなくなるまで見送って、私達はローティシアへと向かった。
昨日の吹雪の中歩くよりはだいぶ歩きやすいけれど、ローティシアまではかなり距離があって雪道をずっと歩いていたから足が冷えてつま先がジンジンしていたのも着く頃には感覚がなくなるくらい冷えきってしまった。
やっと目的地のローティシアへと到着。
出来たばかりの町とは聞いていたけれど、雪かきまで手が回っていないのかあちこち作りかけの建物が雪に埋もれていたり、何とか町にしたという感じのところだった。
一応、王都からの炎の供給は来ているみたいで町の真ん中にはキャンプファイヤーの様に無造作に聖火が灯っている。
イーストサイドの町の聖火は豪華に飾られていたけど 町によって全然違うんだなぁ…
「リディア、火の側で体を温めて休んでて」
「ん?何処か行くの?」
「役場に行って難民の受け入れ可能な働き先ないか聞いてくるよ」
「それなら私も一緒に行く」
「いや…俺、リディアと結婚したいっていうの本気なんだ…今は何も無いけど俺がリディアの事養えるようにならないと」
カイルは元王族だから男性の方がバリバリ仕事をして家族を養わないといけないという気持ちが強いのかもしれない。
うちはお母さんも一緒に仕事してたけど、その感覚がないのかも?
私はカイルの手を握った。
「カイル!一人で頑張ろうとしなくていいのっ…二人で頑張ったらその分早く生活安定させるでしょ?私だって…早くカイルと結婚したいよ…だから二人で頑張ろ?」
「……うん……分かった…苦労掛けてしまってごめん」
「もー!謝らなくていいのっ」
二人で役場へ行くと役場はバタバタしていた。