溺愛銃弾〜ベビーメタル・ソリッド~
「樹、こんなところで寝ちゃったの?」

耳許で声がして、というか耳たぶを甘噛みされてうたた寝から醒めた。着物姿の陶史郎さんが頬杖ついて、添い寝されてる。

「ただいま」

「・・・おかえり、なさい」

「一人にしてごめんね。悪いのはぜんぶ玉置だから」

言い切った。・・・大変だな、玉置さん。

「お客さんは・・・?」

少し目線を持ち上げながら。

「帰った。赤ちゃん産まれたらお祝いに来ます、って(まこと)クンから伝言」

「アイドルみたいな人?」

「彼は宮子(みやこ)ちゃんって彼女一筋でねぇ、僕みたいに」

なんだか会話が噛み合ってない。

「顔も中身も惚れ惚れするイケメンだけど、お前には僕がいる」

突き付けられる見えない銃口と、妖しい微笑み。

「ちょっとでもよそ見したら殺すよ」
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