18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
どうしよう。これ以上突っ込んで訊いてもいいのだろうか。
本人の知らないところで。そう思ったけど、やっぱり私は訊かずにいられなかった。
「遥さんは家族と仲がよくなかったりしますか?」
「え? いいえ、それはないと思いますよ」
その答えを聞いてほっとした。
しかし、加賀さんは続きがあるようで「ただ……」と少し表情を硬くして言った。
「子供の頃からあまり感情を表に出さない方ですからね。きっとお母さまが亡くなられてすぐに旦那さまが再婚なさったのも影響があるのかと思いますけどね」
「そうなんですか?」
「子供心になかなかその状況に適応することができなかったのでしょうね」
加賀さんは困惑したような表情で苦笑しながら言った。
母親が亡くなってすぐに再婚ってなんだか複雑な気持ちだなあと思った。
「それは、遥さんが何歳のときですか?」
「そうですね……10歳の頃だと思います」
「そうですか」
10歳なんて、私は母がそばにいることが当たり前だった歳なのに。
なんだか胸がぎゅっと痛くなった。
わたし、遥さんのことなんにも知らないんだなあ。