18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

 アニメグッズ、アイドルグッズ、推しのポスター、ファンブック、漫画本、小説、それらを見てまわって購入していった。

 ほとんど見ているだけの私に小春が問いかける。


「いろははグッズとか買わないの?」

「うん、荷物になっちゃうし」

 小春は驚愕の表情で目を見開く。


「うそっ! どうしたの? もしかして推しがいるって彼に言ってない? 言えないか」

「え……ううん、彼は知ってるよ」

「じゃあ、どうして? あ、遠慮してるとか?」


 遥さんのことを訊かれると複雑な気持ちになる。

 だけど、あんなこと言えないから誤魔化すことにした。


「そんなことないよ。今日はたまたま、ほしいものがなかったの」

「ふうん」

 小春はまだ納得しないような顔だったけど、それ以上は突っ込んで訊いてこなかった。


 それから私たちは大きな複合商業施設を訪れた。

 広い庭園にはたくさんの木が植えてあり、噴水のまわりにベンチが置かれ、ランチタイムを過ごす人々であふれている。

 1階から3階まではレストランやクリニック、映画館などの商業施設になっていて、そこから上にそびえ立つ高層ビルはすべてオフィスだ。


「ここのビュッフェがめっちゃ美味しいのよー。前から来てみたかったんだよね」


 小春の言葉に続いてみんなも「楽しみー」と声を上げ、私は絶句した。


 あ、秋月家(うち)の会社、入ってる……。


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