18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

「いろは」

 顔の近くでそっとささやかれて、びくっと体が震えた。


 自分の名前を呼ばれてこんなにドキドキするのは、はじめて。

 目を開けようとしたら、突然唇にあたたかいものが触れて、反射的に顔を背けた。


「え……?」

 驚いてぱっちり目を開けると遥さんを凝視してしまった。

 彼は特に驚いた様子もなく、落ち着いた表情をしている。


 私は猛烈に恥ずかしくなって顔が燃えるほど熱くなり、思わず両手で口もとを隠すように覆った。


「ごめんね。嫌だった?」

 訊かれて、ぶんぶんと首を横に振る。


 嫌じゃなくて、嫌じゃなくて……すごく、恥ずかしい!


「違っ……あの、わたし……はじめてで……」

「ファーストキス?」

 私はうんうんと大きく首を縦に振った。


「そっか。俺としてはすごく嬉しいんだけど」

「嬉しい……?」

 遥さんはまた顔を近づけて、ひっそりとした声で訊ねた。


「もう一回、する?」


 うああ……きゅんが、きゅんが止まらないよ!


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