18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
正史郎はある日、美景に呼ばれてとあるカフェを訪れた。そこで、彼女に言われたのだ。
「もう会わないようにしましょう。実は由香里さんがうちに来て……」
「由香里が何かしたのか?」
正史郎は青ざめて詰め寄った。
「3代あとまで呪うと言われたわ。玄関先で怒鳴られて、ご近所にも喚き散らされたの。私が既婚者と不倫をしてるだなんて言いふらされて……何度も男女の関係はないって説明しても聞く耳持たずだった」
「すまなかった。由香里がそんなことを」
正史郎が頭を下げると美景はまっすぐに彼を見つめて言った。
「これまで助けになってくれて本当にありがとう。もう充分よ。私たちは二度と会ってはいけないと思う」
そう言って美景が立ち上がると、正史郎はそれを制止した。
「待ってくれ。お茶を飲むだけでいい。少しでいいんだ。話を聞いてくれる人がいなかったら私は壊れてしまう」
正史郎は自身が鬱病を発症していることと、心身ともに限界であることを話した。
そして、由香里が遥に虐待をしていることも話した。
それを聞いた美景は驚き、同情した。正史郎にも由香里にも遥にも。
「あの家を出たほうがいいと思う」
「私もそうしたいが、由香里が聞かない。もう私が何を言っても彼女は聞く耳を持ってくれないんだ」
すべて自業自得だとわかっていたが、彼にはもうどうすることもできなかった。