18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~
これは私の勝手なこじつけだ。もしかしたら、呆れられたかもしれないと思い、とっさに言いわけした。
「そんなことが、あったらいいなあって」
遥さんは急に私にぴったりくっついて、私の腰をつかんだ。
そして、そのまま私を抱き上げた。
「きゃあっ! 何、なに!?」
まるで、小さな子供に「高い高~い」とあやすみたいな感覚で、彼は楽しそうだ。
けれど、私はめちゃくちゃ恥ずかしい。
周囲の人たちがちらほらこっちを向いて、中には「まあ可愛らしい」と微笑んで去っていく女性もいた。
「や、やめて。遥さん! こんなところで、恥ずかしいよ!」
「いろは、大好きだ」
「わかった、わかったから!」
彼はようやく下ろしてくれたけど、そのまま私をぎゅっと抱きしめた。
まだ人が見てるのに、外でこんなこと恥ずかしい。
けれど、きっと彼はやめないだろうと思って私は諦めてその腕の中にすっぽり収まった。
「いろは、俺と出会ってくれてありがとう」
彼は私の耳もとでそっとささやくように言った。
「……うん」
私は彼の背中に腕をまわしてぎゅっと抱きついた。
彼は私から顔を離して、いつもとは違う妙に切なげな笑顔で、そうまるで泣きそうな表情で、彼は言った。
「いろは、生まれてきてくれて、ありがとう」
その言葉はじんわりと胸の奥に響いた。
私はこの人とともに、未来を、生きていくんだ。